チェンジリング トリヴィアもあるでよ

 

 

トリヴィア目次

マカロニ三部作

ダーティハリーシリーズ

許されざる者硫黄島二部作

ミスティック・リバー

アルカトラズからの脱出

パーフェクトワールド

Changeling チェンジリング

Gran Torino グラントリノ

Invictus インビクタス

アウトロー

The Hereafter ヒア アフター

J.Edgar Hoover

Gran Torino グラン・トリノトリヴィア

内容
1 映画制作前のネットで伝えられたニュース
2 撮影風景写真
3 作品のトリヴィア
4 脚本と本編の違い
5 映画の間違え
6 映画のロケ地
7 映画のスラング
8 タオのおばあさんの言葉

you tubeへの動画リンクです
「グラン・トリノ」日本版予告編
「グラン・トリノ」テーマ曲 ジェイミー・カラム
グラン・トリノ主題歌ロングバージョンネタばれ



映画制作前のネットで伝えられたニュース

・2008年 3月18日 CanMag配信
イーストウッドがミリオンダラーベイビー以来の主演作グラントリノの製作を発表。ワーナーは12月公開をイーストウッドに求めているという。

同日
英語サイトで映画に点数を付ける世界的有名なレビューサイトIMDBがグラントリノをハリーシリーズと表記。

・3月19日 Chud.com配信
映画を製作する会社のひとつヴィレッジロードショーの人間が元警官の所有するグラントリノをめぐるスリラー映画、と話したた。、グラントリノはりハリー物ではないのだろうか

・3月19日 Ain't it cool news 配信
イーストウッドがダーティハリー六作目を製作と伝わる。”グラントリノ”とつけられたタイトル。車ショップがマルパソプロダクションからハリーシリーズ六作目用にクラシックカーグラントリノを探していると頼まれたと発言。

・3月20日Film Jerk.com配信
情報筋の話でダーティハリー物ではないと見られる。情報筋によるとグラントリノはシンプルなプロットと静かであり説得力のあるドラマ映画と話している。モン族が家の隣に引っ越してきたことで、その家族とのふれあいがストーリーの中心になるというもの。これらの情報からハリー物とは想像できない。

3月21日 でたらめが多いSun誌
イーストウッドが77才にしでハリーで戻ってくる。ハリーは殺された孫の敵を討つために再び銃をとる。情報筋によるとこれが最後のアクション映画になるという。といい加減で有名なSUN紙が伝える。

・3月22日 Startribune配信
ミネソタフィルムコミッションの幹部によるとワーナー映画が予算20ミリオンのイーストウッド映画のロケで連絡をしてきたという。
(20ミリオンという低予算のためハリー物ではないとの意見が増える)

・3月26日
フランスの映画サイトにグラントリノに関する記事がのる
「イーストウッドが父親的な役割を演じるファミリードラマで、とてもメロウな作品。若い中国移民の子供をファミリーとイーストウッドの物語」と伝える。


・4月21日 WCCO.com配信
イーストウッドがミネソタ州に無念のNG。ミネソタの小さな町のドラマを、ミシガン州で撮影することを決めた。ミシガン州がミネソタ州より良いオファーを出したため。ミシガンは州で落とした金額の40%を製作者側に戻す提案。ミネソタ州は15%だった。(注 舞台はミシガン州になっている。イーストウッドがフォードで働いていたという設定、アメリカ自動車メーカーが倒産寸前に陥るなど、車の町デトロイトがあるミシガン州のほうが時流にのった良い結果になった)

・5月2日 Firstshowing.net配信
公式なあらすじ
「ウォルトコワルスキーという怒ってばかりの堅物男。朝鮮戦争の英雄は1972年グラントリノを所有している。隣にモン族の家族が越してくることで家族の息子タオと強い絆で結ばれる。そしてギャングのメンバーから彼らを守ろうとしていく・・・・」
ハリーものでないことが明らかに。

・5月23日
監督作チェンジリングでカンヌ映画祭へ乗り込んだイーストウッド。会見でハリー物はもうないと宣言した。
「サンフランシスコ市警が77歳を雇うわけがないよ。皆ハリー物はやらないのかと聞いてくる。すべては脚本次第と思うが、しかしこればかりはもうないよ。もう彼も一人にさせてあげよう」とイーストウッド。
会見で同席していたアンジェリーナジョリーは
「私が演じるわ」と冗談を言い、イーストウッドは
「ダーティハリエットだね」と言い返していた。

・6月24日 MTV.com配信
イーストウッドのインタビュー
グラントリノに関しては
「ハリー映画とは違う類のものだ。ダーティハリーよりもハートブレイクリッジの引退したトムハイウェイに近いキャラクターだよ」
と話している。

・7月9日 ミシガンフィルムオフィス 
エキストラ募集のお知らせ
「クリントイーストウッドがグラントリノのためのキャスト募集。上半身の写真とID持参で8時間で75$。興味ある人は連絡どうぞ。」

・7月14日 Detroitの地元紙配信
デトロイト周辺のみんな用意は出来ているか?もうすぐ撮影スタッフ、キャストがデトロイト周辺で6−8週間のロケを行う。

・7月18日 Daily Tribune配信
Royal Oakにある床屋Widgren's Barber ShopのオーナーWidgrenさんは89歳。この床屋で二日間にかけて映画のシーンが撮影される。
「かれらは60もの床屋を見てまわり、うちのに決めたんだよ。多分私のアンティークが気に入ったんだろうね」とオーナー。
映画用のセットにするために床屋は"Martin's Barber Shop"と新しい名前がウィンドウに書かれた。89歳の床屋のWidgrenは結婚50周年は中西部のこの町から西海岸のカリフォルニア州に旅行。イーストウッド所有のレストランでご飯を食べていた。大きすぎるサンドウィッチが思い出だ。

なおこの通りは撮影中は斜線規制が行われ、カメラが回ると交通は完全に止められると現地警察。

・8月14日 eiga.co
今年は は大統領選の年 以下のニュースが報道された。
「11月4日行われるアメリカ大統領選で、共和党のジョン・マケイン候補が
サラ・ペイリン(アラスカ州知事)を副大統領候補に指名する前に、
俳優クリント・イーストウッドに要請するつもりだったことが分かった。

イーストウッドは、政治の世界に興味がないことを理由に、大統領選を一緒に戦えない、
とマケイン候補に断ったようだ。今年78歳になったイーストウッドは20年前の86〜88年、
カリフォルニア州カーメルの市長を歴任。51年より共和党を支持している。
彼は、副大統領が“最も魅力的でない仕事”と主張。
共和党のマケイン候補本人に要請しないようピシャリと断ったそうだ。

イーストウッドは米ピープル誌に対し、「私はある政治集会にいて、そこには政党員がたくさん集まっていた。
マケインもいて、挨拶にやって来たんで、私は言った。『いいかい、何も聞くな。私はあなたの副大統領にはならん。
候補者名簿の一番上にないと気が済まなくなるんだ(笑)』」と振り返った。「たいていの場合、
(クリントン政権での副大統領)アル・ゴアを考えても、副大統領はちっぽけな存在だ。あれは最も魅力的でない仕事だと思う」

一方でイーストウッドは本業の映画監督として、自ら主演する「グラントリノ」(12月25日全米公開、日本では09年公開)のほか、
アンジェリーナ・ジョリー主演の「チェンジリング」(10月24日全米公開、日本では09年公開)も控える。

また、同誌に対し、ジョリーとペイリン副大統領候補についてぜんぜんタイプは違うと前置きしながらも「大多数の人々を畏怖させる
スターの資質がある」と共通点を指摘。ジョリーの才能を讃え、「地球上で最もゴージャスな顔を持った女優」とまで言及した。

・8月14日 配信
共和党候補ジョンマケインが水曜日同じデトロイト郊外のホテルに滞在。イーストウッドが映画の撮影。マケインはミシガンで票獲得のためのキャンペーンのためデトロイトに。 マケインは
「彼は私のヒーローだ。」と話していた。

・9月3日 New Amerika Medeia配信
モン族との交友を映画が本作品。モン族のキャスティングはフレズノ、デトロイト、ミネソタ州でも開かれた。メインな役はほとんど演技経験のない者が勝ち取った。作品中、ミネソタの白人ライターNick Schenkによる脚本があったものの、多くがアドリブが採用された。モン族俳優達は多くのセリフを自分達の経験から自分の演じる役に反映させて加えていった。そしてアメリカの観客にモン族のリアルな姿を見せることいなった。

・10月23日 zap2it配信
ワーナー映画はイーストウッドのグラントリノを12月17日に限定公開を決めた。

撮影風景





Trivia
・撮影期間は今回もさすがの早撮りイーストウッドで33日。ミシガン州でのロケでは10ミリオン強の金額を州に落としていった。トータル制作費は30ミリオン。
・Nick Schenkの脚本では映画の舞台はミネソタ州だった。映画もミネソタ州での撮影でプランが進んだが、ミシガン州の新しい映画のコミッションシステムの中、映画制作側に金銭的にミシガンが有利ということでミシガンでの撮影に変更。
・アメリカにはモン族は25万人がいてそのほとんどがウィスコンシン州、ミネソタ州、カリフォルニア州に住んでいる。ミシガン州にもモン族は住んでいる。映画の撮影はデトロイトの中心部で行われたが、ミシガン州に住むモン族15000人の多数はデトロイト、ポンティアック、ウォーレンに固まっているという。
・ Los Angeles Timesの記事によると、脚本家Schenkが最初に脚本を書いたのは建設業の仕事の合間にバーで書いたのだという。Schenkはフォードの工場そばに住んでいたこともあり、車にはフォード車のような威厳がほしいというのが最初の映画のテーマで、ダーティハリーの老後の爺さんの話が脚本の始まりではなかったとうい。
・映画のタイトルにもなったフォードのグラントリノ。1976年まで生産
・モン族のキャストのオーディションはミシガン州デトロイト、ミネソタ州セントポール、カリフォルニア州サンノゼのモン族のコミニュティで行われた。
モン族ギャングでタオの従兄弟を演じたDoua Moua以外はこれまで演技経験がない映画デビューだった。
・イーストウッドはモン族俳優に、モン族の言語に関しては即興で演技をさせた。
・イーストウッドのかかりつけの床屋のおっさんを演じたJohn Carroll Lynchはデビッドフィンチャーの"Zodiac"でゾディアックキラーの容疑者アーサーアレン役だった。ゾディアック事件はダーティハリーのモデルになった事件。映画ゾデッアックでも劇中の刑事がダーティハリーの映画のプレミア上映会に出席。映画のようには実際はいかないとこぼすシーンがある。実際のゾディアック事件の犯人は結局逮捕されることがなかったが、ダーティハリーの劇中ではイーストウッド扮するハリーが殺人鬼サソリを射殺している。 またイーストウッドが監督をしたミスティックリバーの原作者デニスルヘインのミステリーホラー シャッターアイランドがマーティスコセッシ監督&でデカプリオ主演で映画化されるが、そこにも出演。
・”グラントリノ”車は映画の舞台のデトロイトから二時間ほどのLorainで作られていた。イーストウッド扮するウォルトのトラックはこれもミシガン州Wayneという町でも作られていた。
・イーストウッドの息子スコットイーストウッド。映画クレジットではスコットリーブスの名で出ている。父イーストウッドの監督作品に三度目の登場。スーのボーイフレンド役で出てきたがアフリカンアメリカンの三人組みにからまれいいとこなしだった。ただしイーストウッド次回作のラグビー映画では、見せ場のある役をもらっている(はず)。
・グラントリノ車はテレビドラマ スタスキー&ハッチで有名。そのハッチを演じていたデビッドソウルはハッチ役を得る2年前にダーティハリー2でイーストウッドと競演。ダーティハリー3ではイーストウッド扮するハリーはグラントリノのセダンを運転していた。
なお前述のハッチが乗っていたのは1973 Garazie500。グラントリノにのっていたのはスタスキー。
5月20日付けのツカサネット新聞のRyoko_O記者は
 ”映画の名前にもなっているグラン・トリノは日本未入荷のアメ車である。'72年にフォードがトリノのスペシャルバージョンとして発売した。この時代独特のコークボトルシェイプは、日本で言うなら、ケンメリGT-R、117クーペがそれにあたる。映画に出てくる車は'72年式になっているが、V8エンジンを搭載したこの車、なんとリッターあたり1.5kmしか走らないシロモノで、'76年に生産終了している。この映画のウォルトのように、不器用きわまりない車ではあるがこれを撮影用に探してきたことだけでなく、動く車を探してきたスタッフの腕に驚きを隠せない私である。”と
記事を書いている。
・ウォルトの持っていたライフルはAmercan M1 Garand。9.5lb=約4.5キロもある重いクラシックライフル。第二次世界大戦でも使われ、その後朝鮮戦争でも使われた。M14ライフルの登場まで活躍した。ウォルトの使う拳銃もクラシックでM1911A1 45口径セミオート。これも朝鮮戦争で使われていた。
・1972 グラントリノ車を所有するイーストウッド演じる主人公の名前はWalt Kowalski。Kowalskiという名は、カーアクション映画で有名なVanishing Point(バニシングポイント)のバリーニューマン演じる主人公と同じ名前。ただしこちらは1970 ダッジチャレンジャー車。
またプロレスラーで有名なキラーコワルスキーの本名はWalter Kowalski。欲望という名の電車のマーロンブランドの役柄もKowalski。Kowalskiという名前はポーランド系で非常に多い名前。職業から派生した名前で”kowal”とはかじ屋、蹄鉄屋などの金属を扱う労働者。英語の名前でいうところのSmith、Blacksmithにあたる。
・ラスト、イーストウッドの歌声が聴ける本作品。ペンチャーワゴン、真昼の死闘、センチメンタルアドベンチャー、白い肌の異常な夜、ブロンコビリー、ダーティファイター燃えよ鉄建、戦略大作戦、 真夜中のサバナでもイーストウッドの歌が聴ける。
・イーストウッドが朝鮮戦争帰りの退役軍人を演じたのは四度目。サンダーボルト、ハートブレイクリッジ、目撃の三本。
今回のグラントリノでウォルトはモン族のタオにsilver star(銀星章)をあげているが、サンダーボルトでもイーストウッド演じるジョンはSilver Starを貰っている(ジョージケネディ扮するレッドがジェフブリッジス扮するライトフットにセリフで語っている)
なおダーティハリー2のセリフでハリーが海兵隊あがりというセリフがあるが戦争に参加したかどうかは不明。
・ウォルトが好きなビールはパブスト・ブルーリボン・ビア。ブルーベルベッドでデニスホッパー演じるサイコな男が、"HEINEKEN!? FUCK THAT SHIT! PABST BLUE RIBBON!"ハイネケンだと?なんだその糞は。ブリーリボンだろっ!と叫んだビールだ。なおタオとスーの家に招待されたときに、ウォルトが冷蔵庫の中から出して飲むビールはTsingtao Bee(チンタオビール、漢字で書くと青島ビール)。映画でウォルトは回転式キャップで飲んでいたことから小道具と見られる。Tsingtao Beerは回転式のボトルキャップビールは販売していない。ただしウォルトがウルトラ怪力で栓抜き無しで怪力で開けるという設定なら話は別だが。なおイーストウッドはこのビールを飲むとき”俺の好きなビールじゃねー”といってしょうがなく飲んでいる設定なので、ビール会社に気を利かして、ビールのラベルを握り画面にラベルが映らないようボトルを握っている。しかしシーンの後半、残念にも銘柄がちろっと映ってしまっている。
ウォルトはビール大好きだが五大湖周辺の人たちはビール好き。ビール好きで有名なドイツ人がアメリカに入植してきたときに住み着いたため。特に映画の舞台となったミシガン州の湖をまたいだお隣のウィスコンシン州はドイツ系が6割近いともいわれ、ミルウォーキーなどは大リーグのチームの名前がブリューワーズ。ミラービールの本拠だ。
ウォルトが大好きだったPABST BLUE RIBBONビールもドイツ人移民が1844年にウィスコンシン州に設立した会社のもの。今はイリノイ州に本社がある。2001年からはミラービール社が販売をしている。PABSTというのはの19世紀末に会社を買った人の名前。
タオ家で冷蔵庫から出していたビールTsingtao Beerは中国のビール。1903年にドイツ人が中国で設立した会社のもの。50もの国に輸出しており、中国の最高の海外輸出品ともいわれている。
・タオのおばあさんが、ウォルトがつばを吐いたあと、黒いものをべーっと吐いていた。脚本では
「Phong glares back and spits beetle juice, which has turned her teeth black. 」
beetle juiceを吐き出すと書いてある。ビートルジュースというと・・・・調べてみようとぐぐってみたけどティムバートンの映画ばかり。ビートルとは昆虫のことなんだけど、まさか昆虫をつぶして作った飲み物なのだろうか。日本でも蜂の幼虫食べるし、イナゴも食べるし、栄養あるかし、モン族の人たちはなんらかの昆虫を食べているのだろうか。一応ぐぐったらこんなビートルジュースが出てきたんだけど・・・。これなの?これなのかおばちゃん!!!こんなの飲んでるのか!!!。注 下の写真はイメージです。あそびで作った昆虫ジュースです。


・ウォルトの孫がウォルトの奥さんの葬式で着ていたフットボールのジャージはDetroit LionsのレシーバーRoy Williams。撮影は2008の夏。撮影中WilliamsはまだLionsにいたがおよそ二ヵ月後10月にトレードでDallasに放出された。
・モン族ギャングにぼこぼこにされたスー。脚本では”ゾンビのようなスーが入ってくる・・・・”となっていた。
またウォルトの息子がウォルトに電話で”Lionsのチケットホルダーの知り合いがいるよね?”とウォルターにライオンズ戦のチケットをせがむシーンがある。この年LionsはNFL史上初めての0勝16敗という全敗シーズンになり、チケットも売り切れないこともたびたびだった。
・映画の終盤ウォルトのスーツを仕立てているのは実際にロケをした店のオーナー。
・映画のラスト、グラントリノが走るシーンで終わる。背景に見えるのは海ではなくLake Saint Clair セントクレア湖。北米大陸(カナダ、アメリカ、メキシコ)では48番目の大きさの湖で1,100km2。ちなみに日本の誇る琵琶湖は670km2。スケールが違いますねん・・北アメリカ大陸。映画の舞台ミシガン州デトロイトの州と同じ名前のミシガン湖は58000km2もある。これが北米大陸3位で北米最大の湖はスペリオル湖は82100km2。映画の舞台ミシガン州のミシガンとは先住民の言葉で大きな湖という言葉を入植者がミシガンと聞こえたためミシガンになった。なおキネマ旬報のグラントリノ特集号では、最後の湖はエリー湖となっていたが間違えていることになる。デトロイトという地名のいわれは1700年代に入植してきてフランス語のデトロワ(海峡)からきた。
・109シネマズで配布しているシネコンウォーカー三月号にサトウムツオというライターが”カメラが回るとイーストウッドはファインダものぞかないしモニター画面で撮影したシーンをチェックすることもない。”と書いている。一見イーストウッドが昔ながらのフィルム撮影と同じ、まったく画面をみないで、カメラ脇から役者の演技を見ているような印象をもたせる文章であるが、メイキングを見る限りイーストウッドはポータブルのモニターを手にかかえて、撮影中もモニターを見ている。たしかに撮影中はカメラマンがファインダーを見ているのでイーストウッドはのぞかないだろうけど。
・ウォルトはポーランド系。映画の舞台のミシガン州をはじめ五大湖周辺の州はポーランド系やドイツ系が多い。入植してきたときに故郷と天候が似ているということで定着した。ミシガンではドイツ系20%、黒人14%、アイルランド系10%、イギリス系9%、ポーランド系9%他になっている。なお州でポーランド系が多いのはニューヨーク州、イリノイ州、ミシガン州の順番でポーランド系アメリカ人が多い。ポーランド系アメリカ人で有名ところといえば音楽界ではボンジョビのリッチーサンボラ、ピーターセテラ。 映画界ではビリーワイルダー、スカーレットヨハンソン、エイドリアンブロンディほか。
首都デトロイトとなると圧倒的に黒人が多くなる。80%が黒人で白人は12%。アジアは0.9%しかいない。元々アメリカは裕福な白人は郊外に家をかまえ黒人は都心の安アパートに固まるとう傾向があるが、デトロイトは自動車産業の発展で職を求める黒人が押し寄せたため。デトロイトで有名な黒人文化というとモータウンレコードの存在があげられる。
・カトリックの神父を演じた童(貞)顔赤毛のChristopher Carleyの誕生日は5月31日。クリントイーストウッドと同じ誕生日。
・敬虔なカトリックの信者の妻を亡くし、カトリックの教会のシーンから映画は始まるがイーストウッドはプロテスタントの家で育った。イーストウッドはミスティックリバーの聖職者の性犯罪、ミリオンダラーベイビーでの尊厳死などアンチカトリックな描き方をしており、批判も受けていた。映画の舞台のミシガンは58%がプロテスタント、23%がカトリック、15%が無宗教ほかユダヤ教が1%、イスラム教が2%。
・シネマ旬報のグラントリノ特集の小林信彦×芝山幹郎対談より。ウォルトはTao(タオ)をToad(カエル。字幕はトロ助だった)と呼んでいる。ウォルトはタオのガールフレンドWa XamをYum Yumと読んだりめっちゃくちゃ。Taoというアメリカ人の名前にはない聞きづらい名前を聞いて"た、た、たぉぉ・・あ・・・。あっ!Toadかぁ”と思ってToadと呼んでいるんでしょうね。とのこと。
・パンフレットによると劇中で使われたグラントリノは撮影が終わった後は売却する予定だったがイーストウッドが愛着がわいたため売却をやめたという。イーストウッドの会社の駐車場にはたくさんの車が置かれていて、節約家のイーストウッドが駐車場の車を劇用車や俳優の送り迎えで使用しているとダーティハリー2の脚本家のジョンミリアスは話していた。
・TaoのガールフレンドをYam Yam ヤムヤムと呼んでいるが、英語でおいしいの意味。
・ウォルトは病院からの書類をベッドにぶちまけて息子に弱弱しく電話を入れていた。あの書類の中にウォルトの病院の検査結果がわかる何かが書いてある・・・とおもうのだが、アメリカの映画サイトの掲示板の書き込みによると、書類は病院で検査を受けるための書類などで、検査結果で病状が分るようなものは見られないという。
.・スコットランド、アイルランド、ドイツ、イギリスの血を引くイーストウッド。ポーランド系を演じているがポーランドからのアメリカの入植者は19世紀後半。ウォルト自身はポーランドからの移民ではなく1930年あたりに生まれた頃には他の人種の血も混じっており、父方がポーランド系ということでポーランド系としている可能性もあり、たとえポーランドの系譜にはみえなくとも良いのではと思われる。
・本作の主題歌はJamie Cullum(ジェイミーカラム)。イーストウッドが音楽のみを担当した映画Grage Is Goneでもカラムは主題歌を歌った。本作グラントリノではカラムはイーストウッド本人から曲を作る依頼を受けた。
・2009年5月30日、イーストウッド誕生日の一日前にイタリアの映画賞でグラントリノがベスト外国語賞を受賞。ビデオによるメッセージを。


・6月7日  wenn.com
古い話。アカデミー作品賞などを受賞したSlumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネアのイギリス人監督ダニーボイルが賞シーズンに行われた、賞レースにからみそうな監督達が集まる食事会に参加。グラントリノで賞合戦に挑んだイーストウッドと出会い大興奮をしていた。イギリス人のボイルはイーストウッドの大ファン。ついでにボイルの父はそれに輪をかけたイーストウッドのファン。
「クリントイーストウッドの会ったんだよ。賞シーズンは候補になりそうな監督が集まる食事会が開かれるからね。皆が一つの部屋で集まるんだよ。彼にあったことで父をびっくりさせたよ。それ以上だったかな。彼にあえたのは本当にスリリングだったよ。」と話していた。ボイルは俳優などにあって興奮しることはないようだ。
「僕は俳優とかで驚くことはないね。でも監督とか脚本家とかだと驚くよ。」とボイル。

脚本と本編の違い
以下はどの初稿か決定稿なのかわからないがネットで出回っている脚本から気づいたこと。なお脚本家はインタビューで決定稿からは一言も台詞を変えないとイーストウッドに言われ本当にそうだったとしている。故出回っている脚本は決定稿以前のものなのだろうか。
・脚本家のタオのイメージはアジアのジョニーデップだったようだ。脚本にデップ風のアジア人と書いてある。
・映画ではなかったがシーン。映画の冒頭ジャンパーケーブルを借りに来るタオを追い払ったウォルト。その後タオがふらふらとチャリンコでウォルトのガレージそばを通る。そこにウォルトがジャンパーケーブルを持って現れ驚くタオ。追っ払ったにもかかわらずケーブルを貸そうとしていたシーン。タオが去った後の台詞が
「あいつらってよく働く連中だと思ってたんだがな。俺があいつくらいの年にはもう車を乗り回していたのに」。
脚本にあったものだが、撮影されてカットされたのか撮影もされなかったのかはわからず。なおこの後自転車で走っているときに一回目のラテン系のギャングにからまれることになるのが脚本の流れ。自転車を強奪されてしょぼくれながらタオは家に帰っている。この後数シーンをはさんで、チャリンコをとられたタオが歩いていると二度目のイタリア系のいじめっ子に遭遇。そこでいじめられてモン族ギャングに助けられるという箇所は本編どおり。なお神父様がたびたびウォルトの家を訪れるが、脚本のほうが本編より訪れている回数が多い。
・当初ミネソタが舞台だったため、息子がウォルトにねだるチケットは脚本ではヴァイキングス。本編ではデトロイトば舞台なのでライオンズ。日本語字幕ではたしかNFLのチケットになっていた。
・雪の話ばっかりで恐縮。スーが黒人にからまれているのを助けたウォルト。トラックの中でスーに、”なんだって一年のうち六ヶ月も雪のこんなとこにすんでいるんだ?”と聞くシーンがある。作品では夏だったが脚本では冬の設定なのだ。なにげに冬のバージョンも見てみたい気が。
・ウォルトが家の地下から冷蔵庫を運ぶ。一人で無理なのでタオにお願いする。脚本ではウォルトは自分で冷蔵庫を運び出そうとする前に息子に手助けを以来する電話を入れている。息子家族は母親が子供をつれて買い物に出て、息子は野球をテレビで見ていた。にもかかわらず息子は”これから子供たちをつれて買い物にいかないといけないんだよ”といって断っている。
・映画の最初のほうでウォルトがバーで爺さん二人とだべっている。ラストの対決前にスーにタオを閉じ込めているから助けてあげてと電話するが、その前のシーンでもバーを訪問している。、”今日はジョニーウォーカーの青を飲むか”と注文。バーの爺さん仲間の一人が”おいおい宝くじにでもあたったか”と言い返し、ウォルトは”皆も同じの飲めよ、おごるよ”といって皆で乾杯をしている。なかなか良さげなシーンだが、スーツを新調するなどあまりにウォルトの死を予想させるシーンが続くのでカットされたのではないだろうか。
・ウォルトがラスト近く教会で人生初の懺悔を行う。脚本では神父との別れ際二人は握手をしている。
・映画のラストは、グラントリノにのる犬のデイジーとタオで終わる。脚本では遺言で”グラントリノを・・・に扱わない限り、君のものだ”とタオへグラントリノを譲渡するという弁護士の言葉でフェイドアウト、終了になっている。

映画の間違え
・ウォルトが風呂に入りながらタバコに火をつける。わんちゃんにこれまで家でタバコは吸っていないのにと説明している。他のシーンでも吸ってる。ほんの少し前、タオ一家が銃撃され、スーが帰宅しが後。ウォルトが神父さんとウォルトの家で話をするシーン。
・ウォルトのカルテ。1930年2月生まれになってる。でも夏の設定の映画で誕生日シーンがある。実は脚本の設定は冬だった。脚本にはウォルトが庭の雪につばをはく・・・などどいった台詞がある。
・床屋のおじさんのジッパーがカットがかわるたんびに位置があがったりさがったり・・・
・女医師が作品ではDr. Chu。しかしクレジットではDr.Chang。
・イーストウッド扮するウォルトは戦争時代に使っていた武器を持っているがもちろん実際には戦争で使った武器は所有できない。
ただしのちに中古品として販売されることはある。他いろいろネットで間違え出ているけど間違えは指摘してもおもろくないのでこれまで。

グラントリノの試写会でもらったブルーノートの宣伝チラシ イーストウッドの息子カイルのライブの宣伝が

映画のロケ地 
DetroitのフリーマガジンThe Detroit Free Pressが2008年12月21日号で映画のロケ地の詳細を伝えた。
1 Lake Share 通りに近いBallantyne Road の家-- ウォルトの息子の家
2 Grosse Pointe ParkにあるSt Ambrose Catholic Church-- ウォルトの妻の葬儀の教会
3  Rhode Island Street, east of Woodward, Highland Park-- ウォルトの家
4 Widgren's Barber Shop(11 Mile between Main and Washington, Royal Oak)-- 床屋
5 VFW Post 6756 (Sherwood between Mound and Van Dyke, Warren)--ウォルトがビールを飲んでいた場所
6  Pointe Hardware (Kercheval at Wayburn, Grosse Pointe Park)--ウォルトがタオに建築現場のバイト用の道具を買ってあげた店
7  Artona Custom Tailoring (Mack near Rivard, Grosse Pointe)--ウォルトがスーツを買う店。仕立てているのは店のオーナー。
8  Pilgrim Street, west of Woodward, Highland Park--映画のラストのショーダウン
9 Lake Shore Drive, Grosse Points Farms and Grosse Pointe--ラストのグラントリノの走る道。Lake St. ClairとGrosse Pointe Yacht Clubが背景に見える。

グラントリノスラングトリヴィア 
この映画、アジア人に対するスラングが多く使われている。アメリカの映画サイトの掲示板にはアジア人への侮辱となるスラングはこの映画を見れば全部わかるとも書き込まれていた。人種にまつわるスラングできる範囲で紹介 あんまりよくわかんないんだけどね 勉強のため辞書引き引き調べました。

swamp rat 本来の意味はオーストラリアにいるヌマクマネズミ ここではアジア人の蔑称。映画の冒頭ウォルトの奥さんの葬儀の後ウォルトの家に親族が集まっている。そのころとなりのモン族の家でもパーティーが行われていた。家に料理を持ち込んでいるモン族を見てウォルトが”何人のSwamp Ratsを招待してるんだ?”と話す。 Swampは湿地帯などの意味でSwamp Rockというと南部にいた黒人音楽に影響を受けた南部ロックのことなどさしますが、ベトナム戦争で苦戦したアメリカにはじめじめした場所ということでアジア人に対してswampと使うことがあるようで、 swamp ninjaというとヴェトナム人などの意味になるそうです。swamp ratsという単語は後のシーンでも出てきます。ウォルトは庭に水をやりながら、”俺はなんでもできるからな。それに対してお前等Swamp Ratsは庭を駄目にしちまっている”とタオに話している。 ラスト、モン族ギャングの家に乗り込んだときも”Any swamps rats in there"くそったれドブネズミアジアンはいるか?といっている。

Zipperhead 映画の序盤、ウォルトの母の葬儀の後親族が集まる家にタオがジャンパーケーブルを借りにウォルトの家を訪問。初対面の二人。ウォルトは”てめぇ少しは敬意を払えこのZipperhead。俺たちは葬儀の後なんだぞ”と話す。Zipperheadとは朝鮮戦争でアメリカ人が撃った威力のある弾で朝鮮人の頭を撃つとつめてあったものがとびだすように頭が吹っ飛ぶことから、アジア人への侮辱の言葉として使われるうになった。いきなり初対面のガキにこの態度のウォルトだ。単にZippsだけの時もある。あとでタオ一家の地下の部屋でタオに話しかけるウォルトは、おびえるタオに
”よおZipperhead、別に撃ちころしたりしないよ”と挨拶している。この挨拶は言葉の語源から来た挨拶。
なお映画「フェイクシティ」の中でキアヌリーブスが韓国系ギャングにZipperheadと言っている。

Rice Niggers ラテン系の不良がモン族不良に行っていた言葉。アジア人の蔑称

Rice Burner,Jap Buggy ウォルトの家を去る息子ミッチ。乗っている車は日本車トヨタ。ミッチが車中で”親父のこの車の見る目を見た?Rice BurnerかJap Guggyかっていいたげだな”と話している。ともに日本車を馬鹿にした言い方。

chinks 自分の家の庭と違い、荒れ果てた庭のタオの家。chinksのやつなんで隣にこしてきやがるんだとこぼすウォルト。中国人を馬鹿にした言い方。なおそんなウォルトにタオのおばあちゃんは”Dump Rooster"と英語字幕で言い返していた。モン族の言葉で何を言っているのかわからないが英語字幕ではちんぽこ野郎だと思う。

gooks 夜タオの家族とモン族ギャングが争いになり、ウォルトはライフルをもって”俺の芝から出て行け”と唸りタオを助ける。礼にとたくさんの食べ物がウォルトの家に。タオの家族に”おれはjabbering gooksともを俺んとこの芝から追い出しただけだ”とタオ一家に話す。Gooksとはアジア人を指す侮蔑的言い方。

wop dago 床屋のおじさんとの漫才の最中にウォルトがいう言葉。Wopもdagoもイタリア人への蔑称。床屋のおじさんはウォルトにPollacとポーランド人への蔑称を言っている。また床屋のおじさんが料金10ドルというと”たけえな。お前ユダヤ血が半分はいってんじゃないのか?値上げばっかりしやがって”と言っている。ユダヤ人はお金に几帳面で細かいと言われている。

fish head スーに誘われて一家のパーティーに。歩いている子供の頭にぽんと手をやるウォルト。頭に魂がやどると信じるモン族にはいけない行為。驚いてウォルトを見るモン族の人。”なんでfish heads共、そんな目で俺を見るんだ?”とウォルト。fish headsとは頭がでかいアジア人という蔑称。もしくはアジア人は一重が多く死んだような目をしているため魚屋で売っている死んだ魚の目という説もあるらしい。

egg roll タオ一家の地下で”おまえが間違ってるんだよこのegg roll”とタオに話すウォルト。egg rollは春巻きだがアジア人への蔑称。ちんこの意味もありタオののっぺりとした髪型がちんこの形状に見えるとも見えないとも・・・。

puss cake 地下室で女の子に声をかけられないタオに向かって”おまえは間抜けだ”と説教たれるウォルト。”もう行かないと。Puss Cake" と立ち去るウォルト。Pussは女性器のことで女の子に声をかけられないタオに”この軟弱ホモ男”といっている。ただ単に女々しい奴程度でも使っていると思うんだけど。普通はPussy CakeなのだがなぜかウォルトはPuss Cake。アメリカのスラングを紹介しているサイトではPussy Cake以外にPuss Cakeという単語が加えられて注釈で”映画グラントリノでイーストウッド扮するウォルトが使用した言葉”と書いてあった。 ウォルトさん新語までつくっちゃんたんだろうか。

broads タオが車を盗もうとした穴埋めとしてウォルトの家の手伝いに来る。断るウォルトだがスーとお母さんにタオを押し付けられる。”このモン族のbroadsたちには困ったもんだ”と話す。broadsはブロードバンドなどで使われる広いなどの意味だが、売春婦の意味がある。Bitchと同意語。この次のシーンで翌日タオが現れるシーン。ウォルトは"son of a bitch(くそったれ) 本当に来やがった”と言っている。son of a bitchとは直訳では売春婦の息子。意味的にくそったれ。アジアのbroads達に押し付けらたson of a bitchが本当に来てしまったのだ。

slope ウォルトが手伝いに来たタオに鳥の数を数えろという。そして”お前等Slopesは数えるのがうまいんだろ”という。slopeはアジア人の蔑称。もともとは斜めのことで日本語でもスロープで使われている。ラテン系が最初にタオに絡むシーンでもつかわれていた。

お風呂に男を磨きに行くウォルトとタオ。間違えた、床屋に男を磨きに行くウォルトとタオ。イタリア系の床屋のおっさんが"chink とpollakの組み合わせかよ”という。chinkは中国系の蔑称。ちなみにjungle chinkはフィリピン人。ウォルトは"元気かよitailan prick”と返す。”なんだよイタリアのちんぽこ野郎”という意味。 床屋のおっさんはさっきはchinkといいながらこんどはウォルトに"そこのnip(nippon人の蔑称)だれだ”と聞いている。
タオが男になるなめに床屋のおっさんに"よおイタリアンチンぼこ野郎”というと”ふざけんなdick smoker"と言い返される。dick smokerはフェラチオ野郎。
ウォルトはタオに”初めてあう人にちんこなんていったらお前のgook頭を吹っ飛ばされるぞ”と言う。gookはアジア人の蔑称。

アイリッシュ系のおっさんが現場監督の建設現場の事務所でのシーンではたいしたスラングは出ず。ウォルトは相変わらずpollakと呼ばれていた。ウォルトはアイリッシュのおっさんには普通に酔っ払いのアイリッシュギャングといっただけだった。ただウォルトは事務所を出て行くときはタオに”早く出ていこう。おっさんがオナニーするだろうから”といって出て行った。


shrimp dick ラストにウォルトがモン族ギャングに乗り込んだときに
" I have nothing to say you.shrimp dick. lizard like you”という。shrimp dickとは文字通り小エビちんこ。または起たないちんこ。lizardはとかげという意味だが、スラングでは女性器をさす。
ラストのくだりは感じとしてはこんな風になるのかなと訳してみた。
ウォルト「Any swamp rats in there そこのくそったれアジアンドブネズミども」
子デブモン族「お前が来るとは思わなかったよ。」
ウォルト「Shut up, gook  I have nothing to say you.shrimp dick. lizard like you だまれ糞アジアン てめぇみたいなクリトリス並のかっぱえびせんチンポ野郎と話すことはねえよ」  

ウォルトはモン族ギャングにラストの衝撃の行動をとらせるために、ありったけの暴言を吐いて怒らせているのだが字幕では制限もありウォルトの暴言ぷりが抑えられているのが残念。
イーストウッドの吹き替えといえば1960年代から山田康雄さん。今でも山田イーストウッドの人気は高く、DVDでもなぜ吹き替えが入ってないのだという声もAmazonの作品評価で書かれている。私は映画の吹き替えにはまったく興味がなく、テレビで好きな映画がやっているときにそれが日本吹き替えだった場合、あーあ吹き替えか、などと思いながら見るくらいです。しかしグラントリノはスラングも多く、英語聞いていても、字幕見ても、会話の面白を理解するということはとても難しいです。ゆえ、この作品を、スラングをそのまんまの日本語の暴言ともいえるレベルでの翻訳で、そしてイーストウッドを山田さんがあてるのなら見てみたいと思いました。
イーストウッドの主演も本人いわく自分から探すことはなくよい脚本があれば、ただしこの年齢になると演れる役も少ないと話しています。
私も昔は山田イーストウッドをテレビでずっと見た世代です。日本ではイーストウッドは山田さんの吹き替えで始まったのです。ですので最後も山田さんで終わってもストーリーじみていて面白いのではと思います。ウォルト山田イーストウッドが
「だまれ糞アジアン てめぇみたいなクリトリス並のかっぱえびせんチンポ野郎と話すことはねえよ」と凄むのはダーティハリーの最後のさそりとの対決のお腹から搾り出す声を想像させ、イーストウッドの演じたキャラクターの塊であるウォルトへの想い、そして役者イーストウッドへの思いも山田世代には感涙ものになるのではと思います。山田さんも昔は役者志望で声優の仕事を馬鹿にしていたといいます。何かの理由で声優の仕事で生きていこうと決意したとテレビで見た記憶があります。それがイーストウッドがらみの作品ではなかったにせよ、彼の声優人生はイーストウッドから始まっています。もし亡くなることがなくこの作品で声をあてられれば山田さんにとっても感慨深いものだったのではないでしょうか。

beaners グラントリノをタオに残るというウォルトの遺書に出てきたメキシカンの蔑称。豆が主食だから。また脚本ではspicとなっていた。こちらはスペイン人、ヒスパニックへの蔑称。昔NYに来たスペイン人がno english speak 私は英語がわかりません と言うのだが、Speakがspicとしか聞こえないためといわれている。

white-trash hillbilly グラントリノをタオに残るというウォルトの遺書に出てきた白人、特に南部白人の蔑称。

おばあさん話す
タオのお婆さんがモン族の言葉で話している内容は時に字幕つき、時に字幕なしだった。撮影ではイーストウッド監督は、民族の言葉で話される会話はアドリブに任せたという。ただし英語の脚本では英語の字幕でこんなことを話しているということで書かれている。

ウォルトがスーに家に招待された時のおばあさん。
おばあさん
「おまえ出てけ!家から追い出しな(スーに)。ここで何やってんのよ?」
ウォルト
「何だって?」
スー
「家にようこそって」
ウォルト
「嘘だ、俺のこと嫌いみだいだ」
スー
「そうね、嫌いだわ」
おばあさん
「なんでこんな白人家に連れてきただよ。こんなの家に何ももたらさない。もたらすことといえば悲しみと死だけだよ。」
ウォルト
「俺のこと憎んでるな」
スー
「憎んでるわ〜」

ラストに向かいウォルトが犬のデイジーを連れてポーチに近づく。その時のおばあさん
おばあさん
「お前は悪魔だよ。前からお前に悪魔がいることがわかってた。家に帰りな。お前ら白人の軍人が私らの村にやってきて、若い連中に勝利だの吹き込んだんだ。お前らが彼らを死に追いやったんだ。」
ウォルト(わけもわからずに)
「分ってるよ。俺もあんたが嫌いだよ」(注:映画ではウォルトは”分ってる。俺もあんたを愛してるよ”と言っている。)
その後デイジーよろしくというウォルト。おばあさんは何か話し続けているが脚本には”モン族の言葉でおばあさん、続ける”とだけ書いてあるだけなのでわからず。
そのほかも悪態ついているシーンはあったが、おばあさんの考えやアメリカに対しての思っていることを表現しているところだけ拾いました。
なお最後お葬式にタオとスー、お母さんが向かうシーン。おばあさんはロッキングチェアーに、デイジーは玄関の階段上でさびしそうに三人を送っていましたが、脚本では
”おばあさんはロッキングチェアーを前後にゆすり、年老いたデイジーをやさしく腕の中に抱きかかえている"となっていました。ネコちゃんサイズで無いおっきなデイジーはおばあさんの腕の中はさすがに絵的に無理でした。


Eastwoodtrivia T

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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