Anazonのフーヴァー長官の本

 

 

 

 

 

 

ディカプリオはクリスチャンベールのお尻を狙う?
ジョーニー・デップ主演のパブリック・エネミーズ。
映画はデップ扮する社会の敵No1と呼ばれた銀行強盗デリンジャーをクリスチャンベール扮するメルヴィン・パーヴィスFBI捜査官(正確には当時は前身組織。名称がFBIになったのは1935年でこの話は1934年)が追いかける話。
映画の中で38歳当時のフーバー長官が、相棒トルソンと共に登場していた。
アンソニーサマーズ著の「大統領たちが恐れた男」によるとフーバーはこのパーヴィス捜査官にラブレター攻撃を行っていたという。。フーバー長官とこのパーヴィス捜査官の関係は”友情と裏切りの物語であり、フーバーの私生活のエピソードでもっとも詳しく記録が残っている”ものという。パーヴィス家には1927年から1936年に間にフーバーからパーヴィスにあてた500通近い手紙が残っている。FBIの歴史を通じてパーヴィスほどフーバーにい可愛がられた部下はいなかったという。フーバーはパーヴィスが風邪をひけば見舞いの手紙を送り、空気清浄機も送り、日に4通も手紙を出していたこともあった。同書では手紙は”同性愛者らかのラヴレターとしか解釈できない”と書いている。幼稚なユーモアと婉曲なセックスへの言及も入り混じっているという。なおパーヴィスは結婚し、同性愛を疑わせるような記録は残っていない。この映画ではビリー・クラダップ演じるフーバーとパーヴィス捜査官は単に上司と部下という関係でしか描かれていない。
写真下は左はベイル扮するパーヴィス、右が ビリー・クラダップ扮するフーバー長官。



ところでパプリック・エネミーズに登場するパーヴィス捜査官は完全に映画用のキャラクターで腕利き捜査官で描かれている。実際にはパーヴィスがシカゴの局長になれたのも本人の実力ではなく裏の後押し、親のコネがあったからといわれている。上記書によるとパーヴィス捜査官は仲間うちでは"臆病パーヴィス”と呼ばれていた。デリンジャーの捜査で名前が知られる前に、誘拐犯のロジャー・トゥーイ逮捕で手柄をたてて新聞をにぎわせたがこれは地元の警官の通報でかけつけて逮捕しただけ。しかものちにトゥーイは免罪で釈放されている(それは本人の責任とはいえないが)。
映画では、ウィスコンシン州の山荘にかくまうデリンジャー一味をパーヴィスらFBI捜査官が急襲。デリンジャー以外は射殺となるが、実際には誰もつかまえることは出来なかったそれどころかパーヴィスと部下は関係のないレストランの客を一味と間違え一斉射撃。罪のない一般の人が一人死亡、二人が怪我を負った。
この事件でデリンジャーの捜査をしていた一部の捜査官からパーヴィス、及びフーバーの辞職を叫ぶ者もいたという。フーバーはパーヴィスを解雇するとFBIが失敗したことを認めたことになりそれがFBIの恥と考え30人の優秀な捜査官を集めシカゴに送ったという。この時期からフーバーからパーヴィスへ送った手紙の内容はかつての親しい者への手紙ではなく、厳しい文面で批判的な内容になっていく。
映画の中身同様、パーヴィスと捜査官達は映画館から出てきたデリンジャーを射殺した。
ワシントンに戻るとフーバーが「想像をしがたいまでの勇気」とパーヴィスを迎えたがこれはマスコミ用の演技であった。
映画とは違い実際には、その後も一味のベイビーフェイスネルソンなどをFBIは追い続けた。パーヴィスもその後捜査官として活動するがフーバーの手により日陰に追い込まれていく。デリンジャーの捜査活動で名前が有名になったがフーバーは自分より目立つものは嫌い。
パーヴィスはやめる最後の一年間は捜査官志望の面接官に回されていた。パーヴィスの当時の秘書は
「フーバーはパーヴィスに嫉妬していたんです。フーバーはパーヴィスを侮辱し恥をかかすようあらとあらゆる手を使いました」と話している。パーヴィスは辞表を出した。かつて「もっとも親しい友人」と呼んだ人物に対してフーバーは際限なく意地の悪い仕打ちをした。ハリウッドのダリルザナックが犯罪コンサルタントにパーヴィスを迎えようとすると、フーバーが介入して話をつぶす。
パーヴィスはフーバーを裏切らず自身が受け取ったフーバーからの手紙も公表しなかった。その後も自身の努力で地元のラジオ局を経営し議会委員の仕事もした。
パーヴィスが上院スタッフに名前があがるとここでもフーバーは部下に命令しパーヴィスの「人格を傷つけるような情報」をばらまかせた。1952年には連邦判事になるチャンスをフーバーに潰された。パーヴィスは妻の薦めで和解のため話し合いをもとうとした。同席したパーヴィスの息子は
「案内され部屋に入るとフーバーが電話で話を始め、父を無視しました。父の手が震えだし”この礼儀知らず野郎、家内と一緒なんだから立ち上がりやがれ”と言いフーバーが立ち上がりましたがこれで和解の道も完全に途絶えました」と話している。
1960年パーヴィスは45口径の銃を握り死んでいた。報道は長年の慢性腰痛が理由の自殺とした。ほか民間人を誤射で殺してしまったこと、自分が撃ったギャングの目の恐怖が忘れられなかったため自殺した、果ては暗殺説までさまざまな噂がある。家族は自殺という結論には疑問を持っている。
パーヴィスの死はFBIからは完全に無視されコメントも遺族への弔電もなかった。
パーヴィスの存在はなかったことにされ、フーバーの前でパーヴィスの名前を出すことはナポリのヴェスヴィオ火山に爆弾を落とすようなものだったという。パーヴィスの妻はフーバーに以下の電報を送った。
「あなだが主人の死を無視されたことを遺族は誇りに思っています。あなたの嫉妬は主人を深く傷つけましたが主人は最後まであなだが好きだった、と私は思います」
その一方でデリンジャーの名前は延々と残ることになった。
フーバーの応接室には何十年に渡りデリンジャーのデスマスクとデリンジャーが使用していた銃(しかしその後その銃はデリンジャーの銃でないことは明らかに。銃はデリンジャーが死んだ後に発売されたものだった)。デリンジャーのカンカン帽、メガネ、などがFBIの力を誇示するように飾られていた。

なおディカプリオ主演だったとするソースはこちら
ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオが主演予定だったマイケル・マン監督作へ出演か? 2007年12月10日
[シネマトゥデイ映画ニュース] ジョニー・デップが、マイケル・マン監督の新作へ出演するかもしれないとハリウッド・レポーター紙が伝えた。作品は、マンが長年温めてきた企画であるブライアン・バロウのベストセラー・ノンフィクション小説「パブリック・エネミーズ:アメリカズ・グレイテスト・クライム・ウェーブ・アンド・ザ・バース・オブ・ザ・FBI 1933-34」(原題)を映画化するもので、犯罪がはびこる大恐慌時代のアメリカを舞台に、FBIがいかにして今日の犯罪捜査機関へと変革していったかを描いていく。同作の主演にはレオナルド・ディカプリオが決まっていたが、ディカプリオはマーティン・スコセッシ監督の『シャッター・アイランド』(原題)への出演が決まり降板していた。デップは、米脚本家組合(WGA)のストライキの影響で『シャンタラム』(原題)の製作延期が決定されたばかりで、その後に製作が予定されている『ラム・ダイアリー』(原題)の製作も遅れる見込みでデップのスケジュールは空いている。出演が決まればデップはFBIから国民の敵ナンバーワンと指名された銀行強盗ジョン・デリンジャーを演じる予定で、大いに期待できそうだ。



この映画パブリック・エネミーズでベール扮するパーヴィス以上の存在感をラストで見せたのはスティーヴン・ラング扮するチャールズ・ウィンステッド捜査官。ラングはアバターの鬼軍人同様存在感を見せ付けた。FBIのナンバー3の地位にありフーバーをFBIから叩き出す情報を外部に漏らしたB.サリバンの引退後の著書「FBI・独裁者フーバー長官」にウィンステッド捜査官について書かれている箇所がある。1942年、新米のサリバンがニューメキシコ州のエルパソへ助手として任命されたとき、エルパソのたった一人の捜査官がウィンステッド捜査官。エルパソに向かう前から、いかにウィンステッド捜査官が気難しく一緒に働くのが不可能な人かと聞かされたという。初めてオフィスに入ったサリバンが見たものは小柄で細身の男だったという。フーバーの時代は、周囲からよく見られるよう捜査員はきちんとした格好をしないといけなかったがウィンステッド捜査官はブーツをはいていた。サリバンは東部出身のやさ男と見られまったくウィンステッド捜査官に相手にされなかった。
「お前みたいなのが来ても役にたたん。ワシントンの研修なんて役にたたない。俺がほしいのは経験をつんだ捜査官だ。名前はなんでんだ」とウィンステッド捜査官。
サリバンと名前を名乗るとウィンステッド捜査官の癇癪が爆発。
「またサリバンか。前にも東部生まれのアイルランド人をよこしやがった。逮捕のたびに犯人と殴り合いで犯人がいなくなると今度は警官にちょっかいだしやがった。すぐに首になっちまったけどな」
サリバンはウィンステッド捜査官の噂を聞いていたが"皆が言う噂は控えめに言うにもほどがある”と感じたという。
犯人を見つけると相棒に州警察の人間に頼みサリバンには”小僧、来たけりゃきてもいいよ”という扱い。レストランでポスタム(麦を焙煎した飲み物)を注文すると「ここは南西部だ。一人前の男はコーヒーを飲むんだ。二度と人前でポスタムなんぞ注文して俺に恥をかかせるな」と怒られる始末。ところが二人が打ち解けるきっかけがあった。
移動中に牛の群れが道をふさいだ。ニューイングランドの田舎で牛を見ていたサリバンは牛に詳しかった。田舎の懐かしさでウィンステッド捜査官の恐怖を忘れて牛の品定めを声に出してしまった。東部ということで都会育ちと思っていたウィンステッド捜査官にサリバンは
「田舎で育ったんです。小さいときからずっと牛や馬の世話をして育ったんです」というとウィンステッド捜査官は
「何てこった。本部は次にどんなやつを送ってくるのやら。」と応えたという。
しかしこの会話が二人の関係を変えたという。
それからは教師と生徒の関係となりサリバンは捜査官として成長する。サリバンが聞いたデリンジャー射殺劇も書かれている。女性二人と歩くデリンジャーの背後をウィンステッドが追いかけた。女性の一人ポリーハミルトンが一度後ろを振り向きデリンジャーに何かをささやいたという。一瞬後デリンジャーは女性二人を跳ね除け振り向き様に銃を抜いたという。ウィンステッド捜査官は三発撃ち、最初の二発が心臓に、三発目が頭に当たったという。持っていた銃は45口径だった(38口径といわれているが本書では45口径となっている)。ウィンステッド捜査官の元にもフーバーから褒め称える手紙が来たという。
サリバンがフェラデルフィアへ移動することになったとき二人の仲は友人になっていた。
サリバンはウィンステッドからフーバーと会うことになったときの対処法を教えてくれたという。「伊達男みたいにめかしこんでノートをもっていけ。フーバーが何か言ったらメモをとれ。部屋を出たらノートは捨てちまえ。それからお世辞を言え。フーバーが自惚れ屋ってことは皆知っている。お前だけ言わないと目立っちまう」がそれだそう。
ウィンステッド捜査官は1942年フーバーと言い争いになり”地獄に落ちろ”と言い放っちしばらくして辞職。陸軍情報部の大尉に任命された。
ウィンステッドは1974年に癌でなくなった。数ヵ月後サリバンはウィンステッドの遺言を知る。いつも身につけていた357マグナムとソンブレロ、鞍、ロープがサリバンに残されていた。


パプリックエネミーはデリンジャー対フーバーの2大キャラ対決映画だった?
以下ディカプリオの映画フーバーにかかわることになったきっかけの話をBackstage.comより。
デカプリ
「もともと”パブリックエネミー”のプロジェクトに何年も関わっていたんだ。僕はフーバーのこと詳しく調べていた。監督のマイケル・マンと一緒にずっとプロジェクトを成長させていったんだ。だけど、理由は忘れちゃったけどマイケルが一人でプロジェクトを進めちゃったんだ。たぶん二人のスケジュールが合わなくなってだったかな。そしたら二人の物語がデリンジャー(主演のギャング。ジョニーエップが演じた)一人の物語になっちゃったんだ。だからフーバーのことが潜在意識の下のほうにいつもあった。そんな時ミルクの脚本家のダスティンランスブラックが脚本を仕上げたって聞いたんだ。だから脚本を読ませて貰っただ。たくさんの疑問が出たよ。彼の生活、なにが彼を動機づけたのか。彼はいったい何者なのか。ダスティンは本当に彼のエッセンスをとらえていた。おまけにクリントイーストウッドと仕事をしたくないなんて人間いるのかな?役を得ていないのに自分でリサーチを始めたんだ。」

 


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