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クリントイーストウッド アウトロートリヴィアページ

楽園をください

・フォレストカーターのThe Rebel Outlaw:Josey Wales(1975)が原作。
・アメリカ議会図書館の文化的・歴史的・審美的に意義のあるアメリカ映画を永久保存するレジストリ“National Film Registry”に1996年、保存された。
・フォレストカーター原作の中ではイーストウッド扮するJosey Walesと行動を共にするインディアンLone WatieはチェロキーインディアンのStand Waiteの甥として書かれている。Lone WatieはWikiによると”チェロキー族の指導者であり、南北戦争では南軍の将軍だった。ミシシッピ川流域軍で大半がチェロキー族、クリーク族およびセミノール族からなるインディアン騎兵隊を指揮した。1862年から1866年はチェロキー族の大酋長を務めた。”となっている。
演じるのはDan George。カナダのバンクーバーで1899年生まれ。英語の名前はDan Slaholtだった。しかし5歳の頃にGeorgeと改名。学校のバスドライバーなど数々の仕事をしていた。1953年−1963年にツレイル・ウォウトゥス(Tsleil-Waututh)のChief(酋長)だった。この民族は2010年に行われる冬季オリンピックで、他の三つの先住民民族らとともに、多くのイベントに参加。文化の伝承の役割を担っている。
演技を始めたのは1960年、すでに60歳のとき。CBSのテレビ番組だった。文筆業でも活躍。1981年9月23日死去。
詳しくはWikiのこちらでどうぞ。
・フィリップカフマン監督で撮影はスタート。しかしイーストウッドと意見が衝突。監督を下ろされイーストウッドが監督を務めた。しかしのちに問題になった。組合により一度契約を結んだ場合、本人の意思に反して解雇は出来ないという一般的にEastwood Rule"と呼ばれるルールが組合で作られた。
・イーストウッドが自身の映画の中で一人もインディアンを殺していない。
・日本ではあまり有名ではないがカントリーシンガーGeorge Straitはこの映画のファン。
・アメリカでは大人気。Johnny Carson ジョニーカーソンはこの映画をアメリカの西部劇史上の最高傑作と呼んだ。
・イーストウッド扮するWalesのもつ二丁拳銃はColt Walker 1847 Dragoon。シリンダーが大きく火薬が多くつめられている。ただし弱点としてシリンダーの壁の一つが破損すると暴発、銃は駄目になる。これは1992年のアカデミー受賞作”許されざる者”の中で話されている。
・Lone Watie役のチーフダンジョージは高齢ということもありセリフが覚えられなかった。共演しているイーストウッドは思わず、口元がジョージのゆうセリフの動きをしてしまった。カットが使えなくなるという理由で 指摘されるまで気づかず口パクをしていた。
・ラストにイーストウッドに仁義を見せるフレッチャー。Quantrill's Raiders(Wikiより”ウィリアム・クァントリルが1861年、南北戦争が勃発すると南軍に身を投じて大尉としてQuantrill's Raidersと呼ばれるゲリラ部隊を率い、カンザス州やミズーリ州で北軍と戦った。1863年8月21日、ローレンスの戦いで450人の部下を率いて奴隷制反対住民を襲い女子供を含む約150人を虐殺した。1865年5月10日、クァントリルはケンタッキー州で北軍の奇襲を受け負傷し、その傷がもとで6月6日に死亡した”)にいたCapt. Dave Pooleをモデルにしていると思われる。Pooleは戦争で南軍が敗れた後、北軍につき、ゲリラを続ける南軍兵士に抵抗をやめるよう説得する役を受けた。
・本作はイーストウッド主演でもあり、一般的にもかなり知られた映画ではあるがUniversity of Missouriでは大学のファイティング映画としてカルト的人気をもっている。同大学はUniversity of Kansasとライバルである。映画ではイーストウッド扮する一人軍隊と呼ばれるガンマンが北軍カンサス・レッドレッグと戦う映画であることから。同様に”シビル・ガン 楽園をください Ride with the Devil” という映画も同じ理由で人気がある。
・原作者のフォレストカーターはインディアンであるというふれこみで小説を書いていた。しかしのちにAsa Carterという元KKKのメンバーであり、George Wallace ジョージウォレスのスピーチライターであることが判明。 イーストウッドをはじめとする映画制作人はその事実をまったくしらずに映画を完成。
・The Return of Josey Walesという続編のテレビムービーがある。主役のJosey Wales役はMichael Parks マイケル・パークス。ついでにイーストウッドをまねたわけではないだろうが、監督もパークス。
・ジャマイカ出身のレゲエアーティストジョージーウェルズ。もちろん映画アウトローの主役ジョージーウェルズから名前をとって使っている。名前を使い出したのは1977年。映画の直後にすでのこの名前を使い始めている。
・トランスフォーマーシリーズで活躍の若手エロ女優ミーガンフォックス。アメコミ西部劇Jonah Hexに出演。映画は2010年6月公開。1970年代、この作品の漫画原作の表紙をイーストウッドが気に入りアウトローの映画の怒りのイーストウッドの絵のポスターになった。

・2010年末に公開されアカデミー賞も有力作となっているコーエン兄弟によるジョンウェイン主演の「勇気ある追跡」のリメイク「トゥルー・グリット」。コーエン兄弟はあまりジョンウェインのウエスタンが好きでない様子。兄弟があげた西部劇ベスト5は
1. One Upon a Time in the West (1968) 「ウエスタン」 セルジオ・レオーネ監督
2. The Outlaw Josey Wales (1976)    「アウトロー」イーストウッド監督
3. Greaser’s Palace (1972)        日本未公開ロバート・ダウニー・シニア監督
4. Doc (1971)                「ドク・ホリディ」フランク・ペリー監督 
5. The Life and Times of Judge Roy Bean (1972) 「ロイビーン」ジョン・ヒューストン監督

・M-Menシリーズのスピンオフの ウルヴァリンの続編の監督はジェームズ・マンゴールド。マンゴールドは西部劇「3時10分、決断のとき」も撮っているが、ウルヴァリンも西部劇から大いに影響を受けているという。特に「アウトロー」を大いに参考にしているという。ジャックマンも
「僕たちは、ウルヴァリンに僕も大好きな「アウトロー」のイメージを持っていたんだ」と話している。新しいウルヴァリンは仲間がぼんぼん増えるロードムービーテイスト?

・本作は当初フィリップカウフマン監督で撮影スタート。しかし意見の相違ということでイーストウッドプロデューサーはカウフマンを解雇。その後2人は映画での接点はないが、2012年5月9日の行われたジャズのイベント、San Francisco Jazz Freedomでイーストウッドとカウフマンが話をし、イーストウッド夫妻と3ショットの写真撮影にもこたえていた。当時のわだかまり解消の話でもしていたのだろうか?

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